器の漆つぎ*chiho 1979年生まれ、鹿児島市出身。鹿児島市谷山在住。 【ご挨拶:器の漆つぎ、修行中。】→★(click!) ●修繕完了品の一覧は、こちら→★(click!)からどうぞ! <連絡先メールアドレス>urushitsugi☆gmail.com(☆部分を@マークに書き換えて送信ください。) |
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夏にガラス3点
2011年07月19日
このブログをご覧になって、日ごろづかいのとても大切な、でも割れてしまったガラスの器を3点、はるばる東京より、お預け頂く事となりました。
何度かメールでやり取りさせていただいて、陶磁器よりは一般的でないガラスを、私の技量でお受けしていいものだろうか、と思ったり、またとない機会を頂いたんだ、とも思ったり。
以前、頓挫していたチャイグラスの修繕を再開して、実際にガラスの修繕についてもっと深めてみたりもしました。
すると何と、当時はできなかった接着が、今回の工夫で、うまくできたのです!
なんでも、「300円のチャイグラスを修繕している」というところも、私をお選び頂いたポイントらしく、私の目指す器の修繕のことにすごくご理解がある方だなぁと思いました。
そんなこんなで、諸々了解頂いて、晴れてこちらに届いた3点です。
どれも、この手にすることができるだけでうれしいものばかり。
まずは、沖縄は読谷のガラス工房「日月」の、おおやぶみよさんの作品です。
まだ十代の頃、実は一人旅で読谷を歩いた事があります。
陶芸の窯と一緒に、ガラス工房もありました。
その工房は、宙吹きガラス工房「虹」でした。
沖縄のガラス工房は、再生ガラスを原料にしているのが一般的です。
まだ十代だった当時の私の目に、色ごとに仕分けされたジュースの瓶の光景が鮮烈に飛び込んできたのを覚えています。
おおやぶみよさんの事は、今回この鉢をお預かりして初めて知ったのですが、ゆらぎ感のある、とてもステキな器を作られる、女性のよさがよく現れた作家さんだなぁと思いました。
実際手に取ると、沖縄のガラスらしく、あたたかな厚みやゆらぎがあり、一方でとても繊細なカットでの模様が、その線形はとてもおおらかに、涼しく描かれています。
そのカットの模様を横切る形の、ワレと、割れ口に破片がない部分があって、その部分のカケです。
しっかり漆で接着を済ませて、カケを埋めて、このなんともあったか涼しい感じをいかせるような仕上げにしたいと思います。
もうひとつは、北欧はスウェーデンの厚手のグラスです。
ちょっと写真ボケましたが、厚手で、上の方に色が入っていて、手に持った感触がとても感じのいいグラスです。
1000円ぐらいで、日ごろづかいのもの、ということで、この手になじむグラスを大事に使われている所有者様の暮らしぶりを想像して、いいなぁと思います。
縦に大き目のヒビが入っていて、それを埋めたり補強するような方針で作業する事になるかと思います。
ラスト1つは、難題を頂きました!
オールドパイレックスのパーコレーターの蓋です。
私も、器をお預かりするまで知らなかったのですが、有名なあの耐熱パイレックスグラスには結構な歴史があり、オールドパイレックスは、とても人気があるそうです。
私もとても興味をそそられます!
そして、パーコレーターは、いわゆるコーヒー淹れの道具。
サイフォンのような方式で、そのまま火にかけて、蒸気でコーヒーが出るものです。
つまり、ガンガンと火にかけるものの蓋なのです。
何度か書きましたが、漆は基本的に、食洗機や直火には耐えられません。
そして、所有者様は、このパーコレーターをやかんがわりにヘビーユースしておられるとのこと。
日ごろづかいの手になじんだ道具として、所有者様にお返ししたい気持ちと、強度が実用に耐えるようにできるのだろうかという不安が入り混じります。
目下リサーチと準備中です。
破片のないカケの部分が、ちょうど構造的に本体とひっかかるミミみたいな部分になっているので、そこが問題。
日ごろづかいの器を修繕する修行、という事を受け入れて頂いてお受けするのは、とてもとてもうれしいことです。
今お預かりしている他の器と一緒に作業に入っています。
さまざまなご縁や出会いに感謝しながら、できるだけ丁寧に仕上げます。
何度かメールでやり取りさせていただいて、陶磁器よりは一般的でないガラスを、私の技量でお受けしていいものだろうか、と思ったり、またとない機会を頂いたんだ、とも思ったり。
以前、頓挫していたチャイグラスの修繕を再開して、実際にガラスの修繕についてもっと深めてみたりもしました。
すると何と、当時はできなかった接着が、今回の工夫で、うまくできたのです!
なんでも、「300円のチャイグラスを修繕している」というところも、私をお選び頂いたポイントらしく、私の目指す器の修繕のことにすごくご理解がある方だなぁと思いました。
そんなこんなで、諸々了解頂いて、晴れてこちらに届いた3点です。
どれも、この手にすることができるだけでうれしいものばかり。
まずは、沖縄は読谷のガラス工房「日月」の、おおやぶみよさんの作品です。
まだ十代の頃、実は一人旅で読谷を歩いた事があります。
陶芸の窯と一緒に、ガラス工房もありました。
その工房は、宙吹きガラス工房「虹」でした。
沖縄のガラス工房は、再生ガラスを原料にしているのが一般的です。
まだ十代だった当時の私の目に、色ごとに仕分けされたジュースの瓶の光景が鮮烈に飛び込んできたのを覚えています。
おおやぶみよさんの事は、今回この鉢をお預かりして初めて知ったのですが、ゆらぎ感のある、とてもステキな器を作られる、女性のよさがよく現れた作家さんだなぁと思いました。
実際手に取ると、沖縄のガラスらしく、あたたかな厚みやゆらぎがあり、一方でとても繊細なカットでの模様が、その線形はとてもおおらかに、涼しく描かれています。
そのカットの模様を横切る形の、ワレと、割れ口に破片がない部分があって、その部分のカケです。
しっかり漆で接着を済ませて、カケを埋めて、このなんともあったか涼しい感じをいかせるような仕上げにしたいと思います。
もうひとつは、北欧はスウェーデンの厚手のグラスです。
ちょっと写真ボケましたが、厚手で、上の方に色が入っていて、手に持った感触がとても感じのいいグラスです。
1000円ぐらいで、日ごろづかいのもの、ということで、この手になじむグラスを大事に使われている所有者様の暮らしぶりを想像して、いいなぁと思います。
縦に大き目のヒビが入っていて、それを埋めたり補強するような方針で作業する事になるかと思います。
ラスト1つは、難題を頂きました!
オールドパイレックスのパーコレーターの蓋です。
私も、器をお預かりするまで知らなかったのですが、有名なあの耐熱パイレックスグラスには結構な歴史があり、オールドパイレックスは、とても人気があるそうです。
私もとても興味をそそられます!
そして、パーコレーターは、いわゆるコーヒー淹れの道具。
サイフォンのような方式で、そのまま火にかけて、蒸気でコーヒーが出るものです。
つまり、ガンガンと火にかけるものの蓋なのです。
何度か書きましたが、漆は基本的に、食洗機や直火には耐えられません。
そして、所有者様は、このパーコレーターをやかんがわりにヘビーユースしておられるとのこと。
日ごろづかいの手になじんだ道具として、所有者様にお返ししたい気持ちと、強度が実用に耐えるようにできるのだろうかという不安が入り混じります。
目下リサーチと準備中です。
破片のないカケの部分が、ちょうど構造的に本体とひっかかるミミみたいな部分になっているので、そこが問題。
日ごろづかいの器を修繕する修行、という事を受け入れて頂いてお受けするのは、とてもとてもうれしいことです。
今お預かりしている他の器と一緒に作業に入っています。
さまざまなご縁や出会いに感謝しながら、できるだけ丁寧に仕上げます。
チャイグラスのワレ~生漆?
2010年10月12日
ずっと昔に買った、雑貨屋さんの300円ぐらいの、チャイグラスです。
はやりましたね~、一時期。
厚手でもとから割れやすかったのですが、いくつも持っていたので、まだ、日ごろづかいのガラスコップとして、使っていました。
これも漆で直してしまいます。
今回は、割れたてで、隙間も少なく、また、厚手で、ガラス、ということで、普通の方法でひとまずやってみて、さらに工夫を加えるつもりです。
ガラスだけに、透漆、と思いながらも、生漆でどんな仕上げができるか、ちょっと楽しみです。
陶磁器だけじゃなくて、ガラス、カトラリー。
材質にも幅広く、300円のグラスだって安心素材で直せる、そんな漆つぎを目指しています。
はやりましたね~、一時期。
厚手でもとから割れやすかったのですが、いくつも持っていたので、まだ、日ごろづかいのガラスコップとして、使っていました。
これも漆で直してしまいます。
今回は、割れたてで、隙間も少なく、また、厚手で、ガラス、ということで、普通の方法でひとまずやってみて、さらに工夫を加えるつもりです。
ガラスだけに、透漆、と思いながらも、生漆でどんな仕上げができるか、ちょっと楽しみです。
陶磁器だけじゃなくて、ガラス、カトラリー。
材質にも幅広く、300円のグラスだって安心素材で直せる、そんな漆つぎを目指しています。