【修繕完了品】3つの急須、それぞれ。

器の漆つぎ*chiho

2011年06月18日 08:48

昨年の12月前にお預かりした、3種類の急須が、やっとお返しできそうな仕上がりになっています。
あとは、お渡ししにいく日程を調整するだけ。
完全に硬化して、漆かぶれをおこさない状態になりました。
実はここまで待つのも結構大事で、過敏な体質だと、ちょっとでも生乾きだと、食器として使ったとき、かぶれを起こしてしまう場合があります。




ひとつ目は、黒い急須の、注ぎ口がとれたもの。

これは早くに完了品として、記事にさせて頂いていました。
目立たなく仕上げてみました。


<作業後>








二つ目は、注ぎ口の広い、おもしろい急須。

味のある注ぎ口が複雑に割れていたのですが、丁寧に継ぎ合わせると、つるんと継ぎ目が分からない手触りに仕上げることができました。
取っ手の根元を修繕する必要が出てしまったので、補強の意味を込めて、広めに金で仕上げてみました。
金も色味が二種類あるのですが、こちらがけばけばしくなく、広い面積を使っても、器の色に自然になじむ気がしたので、こちらを選んでみました。

<作業後>






三つ目は、茶色の急須の蓋のワレ。

これも目立たなく仕上げてみました。
ワレだけでなく、表面が薄くスライスするようにホツレてもいたので、薄く広く埋めていくときに、何度かやりなおさせていただきました。
今後の技術の向上によっては、表面をもう一度仕上げさせていただく事をお願いするかもしれません。
<作業後>




お時間をいただいて、ほんとうにありがとうございました。
あと飯椀も一緒にお預かりしているのですが、漆の在庫の関係で、梅雨明けに(晴れた日に)する作業を経てからになりそうです。




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