白い楕円平皿のワレ

器の漆つぎ*chiho

2011年07月07日 07:44

島原の同い年の女性より、白い楕円の大きな平皿をお預かりしました。

3つの急須をお返しに行った自然豊かなカフェで、預かって頂いていました。



上品な洋風の白を大事にするために、漆に天然素材を練りこんで接着します。
その漆は、通常よりずいぶん硬化に時間がかかりますが、白系の磁器など、黒いと透けて見えるような器には、その工夫がやはり必要です。
練りこむだけの量の漆はやっぱり次回、自分で精製して量を確保してからになりそうですが、割れ方はスパっとしているので、スムーズに接着できることを期待しています。

白といっても微妙なベージュの肌。
接着できた線を見てからになりますが、できたら金などで美しい仕上げの線が描けたらなと思っています。
そのための漆も、やっぱり自分で精製して、さらにそれを加工したものが必要。
仕事の休みと、お天気の晴れ、どうか重なってくれますように!


そんなもどかしい中でも、やっぱり器をお返しできた時の、ご依頼主様の笑顔を拝見できることが一番の励みになります。

3つの急須は、もとの地の色が漆が目立たなかったので、ほとんど修繕跡がなくお渡しできたのですが、どうやらその急須、作家さんがもう作っていらっしゃらないので、同じ味のものが手に入らないそうなのです。
でも、とても気にいっていたので、再び使える事が本当にうれしい、と、心から喜んで頂いて、こちらは本当にお時間を長く頂いてしまったのに、とても元気をもらいました。
お代を頂く以上のお土産などなど頂きつつ、みなさんから力の源をもらって作業できているんだなぁと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
本当にありがたい事です。

天気にくわえて、実は仕事の休みが減ったりして、なかなか思うように作業が進まず、申し訳ない気持ちがいっぱいなのです。
それでも気長に待っていてくださる、お預けいただいている皆様、修行中の仕上げでも笑顔で受け取ってくださる皆様、本当にありがとうございます。
元気を出して頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。


今回ご依頼主のRyeちゃん、YOGI Tea飲んでがんばるよ。
ありがとう。

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