九谷の八角、有田の六角

器の漆つぎ*chiho

2011年07月20日 17:41

実家より、偶然預かった2つの器のホツレ。

ひとつは、九谷焼の絵付けの八角形の平皿です。

私はあまりこれでご飯を食べた覚えがないのですが、今見ると、こんな絵付けの皿がちゃんと五客ぞろいで食器棚の中にあったとは!と再発見です。

この絵付け、梅にうぐいす。
花札でも定番ですが、調べると、ちゃんと決まりがあるそうです。

梅は、桜などと区別するために、一本のびた「しの」という枝を描くこと。
花より蕾を多く描くこと。春待ち望む、これから多く咲く春がやってくる季節。
しかも、枝の、花より先の方に蕾を。(←よく見るとそうなってる!)
白梅より紅梅の方が、故事に忠実。

なんともばっちり原則に沿った絵付けです。

問題は、私の写真の撮り方。
あまりに無造作に置いて撮っていて、ちゃんと器の顔が正面を向いているのか、微妙です…。
無粋ですみません。


一か所ホツレがあって、九谷焼の白い磁器の肌が見えています。
このホツレを埋めて、絵付けの雰囲気に自然になじむような仕上げにしたいと思います。





2つ目の預かった皿は、有田焼の六角形の小鉢。

これは、我が家ではタコとキュウリの酢の物の定番の小鉢でした。
何百回、私はこの器でタコとキュウリの酢の物を食べた事か。

裏に幸楽作、とあって、有田焼のようです。

これも有田焼の白い磁器の肌が見えています。
このホツレを同じように埋めて、これはもう内側で目立つ場所になりますので、なにがしか仕上げを考えたいと思います。

今でも同じようにタコの酢の物が盛られていると想像して、さて、絵付けにも少し使われている金がいいか、銀がいいか、いや、弁柄の朱がいいか、はたまた生漆の色が料理に主張しすぎずにいいか。
考えつつの作業になります。


いつでも自家用・家族分は、実験的だったり後回しだったりしてしまいますが、それでも毎回割れたり欠けたりしては、待たされても待たされても、私に器を預けてくれる、私と主人の実家両家に、この場をかりて感謝します。

六角に八角。
角・角・しかじか、な、器のお話でした。

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