器の漆つぎ*chiho 1979年生まれ、鹿児島市出身。鹿児島市谷山在住。 【ご挨拶:器の漆つぎ、修行中。】→★(click!) ●修繕完了品の一覧は、こちら→★(click!)からどうぞ! <連絡先メールアドレス>urushitsugi☆gmail.com(☆部分を@マークに書き換えて送信ください。) |
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器の修繕、進捗状況
2011年06月18日
先ほど、やっと去年12月お預かりの3種類の急須の作業完了をご報告できました。
湿気があって、温度が上がる梅雨~~♪
と、浮かれておりましたが、今年の梅雨時期には、ほんとに、季節を意識して下準備しておく事が大事だということを、痛感しています。
確かに漆はよく硬化するのですが、それがゆえに、使用する漆自体を練ったり調整する作業に、雨の日は向かないのです!
しかも、そんなときに限って、調整済みの漆の在庫が薄くなり。
そして、金銀を映えるようにする漆の調整の仕方や、欠損部分をもっと効率よく埋める事ができる天然素材との調整の仕方や、覚える技術が増えるに従って、ますますひとつの作業にかける時間、準備しておくこと、天候、そういうものを見越したり要領や時間が必要だ、ということに気づく毎日です。
もちろん、それに気づけるように、いろんな種類の漆を自分で調整し始めた、技術が向上したということでもあるのですが、お預けいただいている皆様には、本当に申し訳ないです。
以下、いくつか長くお預かりしているもの、最近お預かりしてもうちょっと早くお渡しする予定だったものの現在の状況を掲載させていただきます。
次回、今回掲載できなかった分をご紹介したいと思っています。
<2010年10月お預かり デンマークの器>
※左:作業前 中・右:現在の状態

固い磁器で、パカっと割れた部分はすぐに接着できたのですが、欠損部分が大きく、そこを地道な方法で塗り重ねているため、やっとここまで(写真右)埋まっています。
もうちょっと上手に大きな欠損部分を自然素材を使って埋める方法を早く身に着けていれば、もっと早く仕上がっているはずでしたが、このまま、さらに漆を塗り重ねる方法で仕上げたいと思います。
時間はかかりますが、とても堅牢に仕上がります。
<2010年11月お預かり、sheepのカップ>
※左:作業前 中・右:現在の状態


かなりバラバラの状態でしたが、割れてすぐお預かりしたので、形はよく仕上がってきました。
ニュウに漆がシブい模様を残すような仕上げにしました。
あとは、残っている1ミリ以下のホツレを埋めたり仕上げたりしている状態で、漆の状態が安定したらお渡しできると思います。
<2010年11月お預かり、平皿>
※左・中:作業前 右:現在の状態



1か所のホツレと、複数のホツレがある白い平皿をお預かりしていました。
実は、もうホツレは埋まっているのですが、仕上げに金などを蒔こうと思っていて、それが映える下地用に漆を調整したくて、それが梅雨明け待ちになっています。
一緒にお預かりしている湯呑のホツレも、それを待つ間に埋まると思うので、一緒に梅雨明けからの金などでの仕上げの作業に入るつもりです。
<2010年12月お預かり、湯呑の口の複数ホツレ>
※左:作業前 右:現在の状態

口の部分が多くホツレているものですが、ほとんど埋まっています。これも金銀などを蒔くため、それを映えるようにするための漆を調整するために、梅雨明け待ちです。
一緒に、接着剤で接着済みの平皿もお預かりしていますが、これも剥離が進んでいるのですが、どうしても剥離できないある破片があり、またトライしてみます。
<2010年12月お預かり、沖縄のダチビン>
※左:作業前 右:現在の状態

厚手でしっかりつけるために時間をかけています。
破片はほぼ継ぎ終わったので、あとは破片のない部分を天然素材で埋めていきます。
ここに漆が多い量必要になるので、この分を調整するのに、晴れの日、梅雨明けを待っています。
ご一緒にお預かりした接着剤で接着済みの湯呑ですが、これがなかなかに接着力が強力で、何度目かのトライですが、まだ剥離できません。
ダチビンにまだ時間がかかるので、もとの湯呑を痛めないように、またトライしてみます。
<2011年4月お預かり 4つの急須の蓋のワレ>
※現在の状態

ほかに、もっと複雑なワレの青い蓋がありますが、それは接着にかんしては50%ほど、という感じです。
この3つに関しては、スパっと割れていたので、接着はすでによくできています。
ワレの中に、ちょっとしたホツレがあるものを、複雑な青い蓋と同時進行で埋めている感じです。
その他、お時間を頂いているものは、
①破片のない大きな欠損部分を埋めるもの
~多量の漆を必要とするので、もとの漆を自分で調整するようになり、それが天候に左右されることがやっと分かったところで梅雨入りしたので、欠損部分を埋める天然素材と漆を混合して一気に埋める作業を、梅雨明け以降に予定しています。
②金・銀などで表面を仕上げたいもの
~これは、金・銀が映えるための漆の調整の仕方が分かったところで、天候に左右されるその調整、もととなる生漆の調整を、梅雨明けに予定しています。
③剥離作業があるもの
~ボンド(とくにアロンアルファ)の剥離作業は、何時間も煮て剥離させるのですが、そのコツが少しずつ身についてきました。
なかでもなかなか強力なものもあり、もうしばらくかけて、本体に傷をつけないように、剥離作業を続けます。
断念するようなものにつきましては、また個別にご案内したいと思っています。
湿気があって、温度が上がる梅雨~~♪
と、浮かれておりましたが、今年の梅雨時期には、ほんとに、季節を意識して下準備しておく事が大事だということを、痛感しています。
確かに漆はよく硬化するのですが、それがゆえに、使用する漆自体を練ったり調整する作業に、雨の日は向かないのです!
しかも、そんなときに限って、調整済みの漆の在庫が薄くなり。
そして、金銀を映えるようにする漆の調整の仕方や、欠損部分をもっと効率よく埋める事ができる天然素材との調整の仕方や、覚える技術が増えるに従って、ますますひとつの作業にかける時間、準備しておくこと、天候、そういうものを見越したり要領や時間が必要だ、ということに気づく毎日です。
もちろん、それに気づけるように、いろんな種類の漆を自分で調整し始めた、技術が向上したということでもあるのですが、お預けいただいている皆様には、本当に申し訳ないです。
以下、いくつか長くお預かりしているもの、最近お預かりしてもうちょっと早くお渡しする予定だったものの現在の状況を掲載させていただきます。
次回、今回掲載できなかった分をご紹介したいと思っています。
<2010年10月お預かり デンマークの器>
※左:作業前 中・右:現在の状態
固い磁器で、パカっと割れた部分はすぐに接着できたのですが、欠損部分が大きく、そこを地道な方法で塗り重ねているため、やっとここまで(写真右)埋まっています。
もうちょっと上手に大きな欠損部分を自然素材を使って埋める方法を早く身に着けていれば、もっと早く仕上がっているはずでしたが、このまま、さらに漆を塗り重ねる方法で仕上げたいと思います。
時間はかかりますが、とても堅牢に仕上がります。
<2010年11月お預かり、sheepのカップ>
※左:作業前 中・右:現在の状態
かなりバラバラの状態でしたが、割れてすぐお預かりしたので、形はよく仕上がってきました。
ニュウに漆がシブい模様を残すような仕上げにしました。
あとは、残っている1ミリ以下のホツレを埋めたり仕上げたりしている状態で、漆の状態が安定したらお渡しできると思います。
<2010年11月お預かり、平皿>
※左・中:作業前 右:現在の状態
1か所のホツレと、複数のホツレがある白い平皿をお預かりしていました。
実は、もうホツレは埋まっているのですが、仕上げに金などを蒔こうと思っていて、それが映える下地用に漆を調整したくて、それが梅雨明け待ちになっています。
一緒にお預かりしている湯呑のホツレも、それを待つ間に埋まると思うので、一緒に梅雨明けからの金などでの仕上げの作業に入るつもりです。
<2010年12月お預かり、湯呑の口の複数ホツレ>
※左:作業前 右:現在の状態
口の部分が多くホツレているものですが、ほとんど埋まっています。これも金銀などを蒔くため、それを映えるようにするための漆を調整するために、梅雨明け待ちです。
一緒に、接着剤で接着済みの平皿もお預かりしていますが、これも剥離が進んでいるのですが、どうしても剥離できないある破片があり、またトライしてみます。
<2010年12月お預かり、沖縄のダチビン>
※左:作業前 右:現在の状態
厚手でしっかりつけるために時間をかけています。
破片はほぼ継ぎ終わったので、あとは破片のない部分を天然素材で埋めていきます。
ここに漆が多い量必要になるので、この分を調整するのに、晴れの日、梅雨明けを待っています。
ご一緒にお預かりした接着剤で接着済みの湯呑ですが、これがなかなかに接着力が強力で、何度目かのトライですが、まだ剥離できません。
ダチビンにまだ時間がかかるので、もとの湯呑を痛めないように、またトライしてみます。
<2011年4月お預かり 4つの急須の蓋のワレ>
※現在の状態
ほかに、もっと複雑なワレの青い蓋がありますが、それは接着にかんしては50%ほど、という感じです。
この3つに関しては、スパっと割れていたので、接着はすでによくできています。
ワレの中に、ちょっとしたホツレがあるものを、複雑な青い蓋と同時進行で埋めている感じです。
その他、お時間を頂いているものは、
①破片のない大きな欠損部分を埋めるもの
~多量の漆を必要とするので、もとの漆を自分で調整するようになり、それが天候に左右されることがやっと分かったところで梅雨入りしたので、欠損部分を埋める天然素材と漆を混合して一気に埋める作業を、梅雨明け以降に予定しています。
②金・銀などで表面を仕上げたいもの
~これは、金・銀が映えるための漆の調整の仕方が分かったところで、天候に左右されるその調整、もととなる生漆の調整を、梅雨明けに予定しています。
③剥離作業があるもの
~ボンド(とくにアロンアルファ)の剥離作業は、何時間も煮て剥離させるのですが、そのコツが少しずつ身についてきました。
なかでもなかなか強力なものもあり、もうしばらくかけて、本体に傷をつけないように、剥離作業を続けます。
断念するようなものにつきましては、また個別にご案内したいと思っています。
【修繕完了品】3つの急須、それぞれ。
2011年06月18日
昨年の12月前にお預かりした、3種類の急須が、やっとお返しできそうな仕上がりになっています。
あとは、お渡ししにいく日程を調整するだけ。
完全に硬化して、漆かぶれをおこさない状態になりました。
実はここまで待つのも結構大事で、過敏な体質だと、ちょっとでも生乾きだと、食器として使ったとき、かぶれを起こしてしまう場合があります。
ひとつ目は、黒い急須の、注ぎ口がとれたもの。

これは早くに完了品として、記事にさせて頂いていました。
目立たなく仕上げてみました。
<作業後>


二つ目は、注ぎ口の広い、おもしろい急須。

味のある注ぎ口が複雑に割れていたのですが、丁寧に継ぎ合わせると、つるんと継ぎ目が分からない手触りに仕上げることができました。
取っ手の根元を修繕する必要が出てしまったので、補強の意味を込めて、広めに金で仕上げてみました。
金も色味が二種類あるのですが、こちらがけばけばしくなく、広い面積を使っても、器の色に自然になじむ気がしたので、こちらを選んでみました。
<作業後>

三つ目は、茶色の急須の蓋のワレ。

これも目立たなく仕上げてみました。
ワレだけでなく、表面が薄くスライスするようにホツレてもいたので、薄く広く埋めていくときに、何度かやりなおさせていただきました。
今後の技術の向上によっては、表面をもう一度仕上げさせていただく事をお願いするかもしれません。
<作業後>

お時間をいただいて、ほんとうにありがとうございました。
あと飯椀も一緒にお預かりしているのですが、漆の在庫の関係で、梅雨明けに(晴れた日に)する作業を経てからになりそうです。
あとは、お渡ししにいく日程を調整するだけ。
完全に硬化して、漆かぶれをおこさない状態になりました。
実はここまで待つのも結構大事で、過敏な体質だと、ちょっとでも生乾きだと、食器として使ったとき、かぶれを起こしてしまう場合があります。
ひとつ目は、黒い急須の、注ぎ口がとれたもの。
これは早くに完了品として、記事にさせて頂いていました。
目立たなく仕上げてみました。
<作業後>
二つ目は、注ぎ口の広い、おもしろい急須。
味のある注ぎ口が複雑に割れていたのですが、丁寧に継ぎ合わせると、つるんと継ぎ目が分からない手触りに仕上げることができました。
取っ手の根元を修繕する必要が出てしまったので、補強の意味を込めて、広めに金で仕上げてみました。
金も色味が二種類あるのですが、こちらがけばけばしくなく、広い面積を使っても、器の色に自然になじむ気がしたので、こちらを選んでみました。
<作業後>
三つ目は、茶色の急須の蓋のワレ。
これも目立たなく仕上げてみました。
ワレだけでなく、表面が薄くスライスするようにホツレてもいたので、薄く広く埋めていくときに、何度かやりなおさせていただきました。
今後の技術の向上によっては、表面をもう一度仕上げさせていただく事をお願いするかもしれません。
<作業後>
お時間をいただいて、ほんとうにありがとうございました。
あと飯椀も一緒にお預かりしているのですが、漆の在庫の関係で、梅雨明けに(晴れた日に)する作業を経てからになりそうです。