晴天、20gの喜び。


  器の漆つぎ*chiho

1979年生まれ、鹿児島市出身。鹿児島市谷山在住。

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2011年07月09日

梅雨が明けたといってはぐずついていた空が、やっとピカっと晴れ上がりました。
早朝までは雲が多く、心配していた天気、昼前にはすっかりお布団を干したくなるような空気になり。

待望の、漆の調整ができました。
今日は3時間。
木くずの残る未精製の国産漆を、ひたすらヘラで混ぜます。
晴天、20gの喜び。
未精製の漆は、こんな感じ。
かすかな木くずも見え、色もまばらで、成分がきめ細やかに乳化していないことが分かります。



それを何時間もひたすら乳化させるために手作業で撹拌して、濾して、このチューブにおさまった生漆、20g。
晴天、20gの喜び。
たった20gでも、待望の待望の生漆です。
この作業を経ないと、漆自体の質は発揮されません。
きめ細やかに成分が乳化した漆は、なめたくなるほどの愛しさとチョコレートっぽさ(笑)です。


実は、この生漆は基本のプレーンな漆で、このまま使用する事もありますが、これをさらに、工程や用途に合わせて、加熱したりくわえたりしながら、何種類かの漆を作ることができます。
そのたびごとにまた何時間か練ったり撹拌したりする作業があります。

いろんな種類の機械精製されたり混ぜられた漆って、実は売っているのです。
でも、やはり、漆自体を知る事、自分で必要な漆が判断できて、生漆からその日の状態にベストな漆を自分で作りだせる事は、修行と言う意味からも、外せない大事なことなのです。

そういう過程の要領がまだ悪かったり、失敗する事があったり、試行錯誤したり、そういう意味でも、修繕にお時間を頂いている、ということでもあります。
本当にありがとうございます。

次回は火曜あたり、この漆を使って、目的の漆を加工したり、それを使った作業をしたいなと思っています。


ただいま室温35度。
汗だくだくながらも、熱い番茶のほろ苦さを体が求めています。


作業前に、もう今日のご褒美、食べました♪


鹿児島市から桜島をはさんだ対岸の大隅半島、東串良というところの村山製油の、「菜の花バジルオイル」と岩塩で、パンの耳を食べました。

村山製油さんは、湯洗いの伝統的な製法を守りながら、地元の菜の花を使った菜種油を製造されているそうです。
ここの菜種油は、サラっとしていて、とてもおいしい。
その中で、鹿児島産のバジルを漬け込んだ、バジル菜種油です。
バジルが香って、軽い菜種油がさらっとしていて、とても美味。
カルパッチョやサラダやパスタや、オイルのおいしさを大事にする料理に重宝します。
ガーリックオイルなどもあるようですね。

休日用にホームベーカリーで食パンを焼くと、耳が出ます。
その耳は、平日の私専用のおやつになります♪

今日はパンの耳を軽くあぶって、菜の花バジルオイルと岩塩をちょっとつけて、予想より1日遅れでよく出た、冷たい水出しコーヒーを頂きました。

どれも香りがあって、体がおいしいというおやつでした。

作業後の遅めの昼食は、ご飯一杯とキムチ。
そのあとにアツアツの三年番茶を頂いています。


今日も季節や天気や空気や食べ物や飲み物や、漆や漆を生産するすべての人たちや、器を作った人、使った人、預けてくださる人、今日仕事が休みだった事、すべてに感謝しながら、布団を干しつつ、家事の晴天を享受したいと思います。


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Posted by 器の漆つぎ*chiho at 15:54
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